本書は、長年高校野球を見つめ続けてきた著者が、甲子園を目指す現場を歩きながら、はかり知れない魅力と、そこにある問題提起や危険性にも触れていくというものである。高校野球を取り巻く環境も新たな部分でさまざまな問題提起も起こっている。選手の健康管理という面からの「球数制限問題」「過密日程解消問題」、さらには「体罰問題」「いじめ問題の解消」も叫ばれ続けている。またその一方で本書では、高校野球を取り巻く周辺の人々への思いも含めてスポットを当てている。まえがき〜教育としての高校野球の建て前と現実、昔と今〜序 高校野球をめぐる、メディアと社会1章 甲子園には光と影がある(好素材を潰しかねない、勝利至上主義と「投手の投げ過ぎ」/他)2章 高校野球の歴史的背景を見つめつつ3章 常連校からプロへ駆け上がるスター選手の裏で巨額のマネーと利権が絡む「甲子園ビジネス」(甲子園出場は知名度を上げるための告宣伝戦略/他)4章 ひたすらに甲子園を目指す「行きすぎた指導」「教育」の名の下に横行する根拠なき精神論5章 それでもファンを魅了し続ける「甲子園」の未来「あとがき」の代わりに〜次の100年へ向けてどうしても伝えたかったこと〜