平成の世になっても、鉄道模型を趣味とする人にとっては「鉄道全盛期」と言ってもいい昭和の車輌が中心的な興味の対象となっています。当然それらに似合う情景を製作するにあたっては、当時の車輌によく似合う古めの建物が必要となってくるのですが、フィルムが高価であった当時はレイルファンでも車輌の写真を撮るのが精一杯で、なかなか周囲の建物を記録する余裕はありませんでした。しかもそれらは人知れず姿を消してしまっており、今からの取材は困難な状況にあります。本書は、弊社出版物では『地鉄電車慕情』などで知られる車輌・情景モデラーの第一人者・宮下洋一氏が、 学生時代より全国各地で鉄道写真を撮影するかたわらで、ひとつのライフワークとして当時残っていた駅などの鉄道施設や 駅前の古い建物の写真を撮影・記録してきたものの集大成です。モデラーにとってはまたとない情景製作のための資料として、また模型に興味がない人でも鉄道最盛期の遺構を偲ぶアルバムとしても楽しめるような内容です。写真以外にも大正期に制定された当時の駅本屋平面図や、模型化に適した駅施設の筆者実測図面などの資料も収録。