本書はゴキゲン中飛車に対して7手目▲5八金右とわずかな得を求めた手に対し△5五歩▲2四歩と互いに一歩も引かずに大決戦となる「超急戦」について解説したものです。 ゴキゲン中飛車の存続に関わるこの戦型の進化が、時系列にそって壮大な一つの物語のように語られています。 第1章 始まりはいつもこの男たちから 第2章 帝王の参戦 第3章 中飛車党の憂鬱 第4章 遠見の角が見てきたもの 第5章 息を吹きかける若者たち居飛車が新手を出せば、振り飛車もそれに対抗し、現在も結論は出ていないこの戦型。これまでに公式戦やタイトル戦の舞台で数々の棋士がユニークな新手を生み出してきました。 堀口新手▲7五角 室岡新手▲3三角 阿久津新手△5三香 佐藤新手△8九馬 そして、▲1三龍、▲3三香、△5七歩・・・。 その間に第59期王将戦第6局での久保利明棋王の3連続銀合(書籍内では「トリプル・ダイヤモンド・シールド」)をはじめ、多くの名局が生まれました。 棋力向上が図れることはもちろん、将棋の戦法進化のドラマとしても楽しむことができます。さらに、プロ棋士の将棋に対する情熱も堪能できる一冊です。 ============================================================ 肉を斬らせて骨を、否。骨まで斬らせて息を断つ。 「将棋ファイターに生まれたのなら、一度は指してみろ!」(まえがきより)序 章 超急戦とは 第1章 始まりはいつもこの男たちから 第1節 △6二玉▲1一龍に△7二玉 第2節 △9九馬の変化 第3節 ちょっと寄り道1 △9九馬で△8九馬 第4節 堀口新手▲7五角 第5節 ちょっと寄り道2 ▲7五角に△8七馬 第6節 △8四香で△8九馬 第2章 帝王の参戦 第1節 室岡新手▲3三角 第2節 △5四歩の変化 第3節 ▲9六角の出現 第4節 阿久津新手△5三香 第3章 中飛車党の憂鬱 第4章 遠見の角が見てきたもの 第1節 佐藤新手△8九馬の登場 第2節 △5七歩の出現 第3節 第一の矢△2七角 第4節 第二の矢△5三香 第5節 △5三香に▲8一成銀 第6節 第三の矢△7一玉 第7節 中村新手▲8一銀不成〜▲7五桂 第8節 ▲1三龍の出現 第5章 息を吹きかける若者たち 番外編 大先輩へのオマージュ コラム1 デジタル時代の将棋ファンコラム2 棋士のデジタルライフコラム3 日本の家電に期待