春、夏、秋、冬季節別にたっぷり68のレシピを収録したパウンドケーキ本の決定版パウンドケーキのよいところは数えきれないほどありますが、中でもアレンジのしやすさは抜群に魅力的です。カトルカールに季節の素材を合わせるだけで、そこにはまったく新しいおいしさが生まれます。この包容力、汎用性は、やはりパウンドケーキならでは。季節ごとにたくさんのレシピを収録したこの本も、焼き菓子のハイシーズンである秋冬だけでなく、1年を通じて、みなさんに楽しんでいただけることと思います。パウンドケーキを構成するのはおもに4つの材料です。バター、砂糖、卵、粉。材料が少ないぶん、良質のものを選んで、丁寧に作れば、家庭でもプロ顔負けのおいしいケークを作ることができます。そのためにも作り方のポイントは、できる限り丁寧に解説しました。ちょっとしたひと手間で、仕上がりは劇的に変わります。日もちがして、常温で持ち運びができ、贈りものに適しているのも、作り手としては有り難いところでしょう。私のレシピの特徴は軽やかな食感とやさしい甘さにあります。この本ではフィリングによって4種類の生地を使い分けていますが、たとえばカトルカールは卵をほんの少しだけ少ない配合にすることで、ほんのり甘くて、ふんわりおいしい仕上がりにしています。焼き上がりの美しさにもこだわりました。「腰折れ」といって、側面の生地が内側にへこんでしまうことがあるのですが、そうなりづらいよう配合で調整しています。素朴ゆえに奥深いパウンドケーキは、私のパティシエールとしての原点です。ケークを作り続ける中で、私はお菓子の可能性と作ることの幸せを学んでいったように思います。その思いが少しでもみなさんに伝わって、いっしょに楽しんでいただけたら、これ以上の喜びはありません。