天涯孤独の身であり怪異が見える千曳泉は、「知人の嫁にぜひ」という突然の手紙に導かれ、上京する。そこで出会ったのは、怪異と戦う美しい青年・比良坂拝音。彼は帝都を守護する最後の陰陽師であり、泉の結婚相手だった。新婚生活の中で、無愛想ながらも泉の力を認め寄り添う拝音。特異な目を持つが故の孤独を抱えていた泉はその優しさに触れ、二人の距離は次第に近づいていく。しかし、この結婚には国の命運をかけたある秘密が隠されていてーー。神話より結ばれし二人の、不器用な愛と絆の物語。【登場人物】・比良坂拝音(ひらさかはいね)陸軍で特任顧問を務め、帝都最後の陰陽師として怪異を滅する任を担う。日本人離れした美貌の持ち主。・千曳 泉(ちびきいずみ)天涯孤独の身であり、怪異を見ることができる”神照目”を持つ少女。島根から上京してきた。内気な性格だが、芯は強い。第一章 軍装の陰陽師第二章 あっという間の祝言第三章 初めての共同任務第四章 晩餐会と帰る場所第五章 充足の日常第六章 声の重なる時第七章 二人の百怪祭第八章 陰陽師とその妻終章