ブラームス:交響曲全集、セレナード集(4CD)ケルテス&ウィーン・フィル、ロンドン響若くして高い評価を得ていたハンガリーの指揮者、イシュトヴァン・ケルテス[1929-1973]の代表作のひとつともいわれるブラームスの交響曲全集。ウィーン・フィルのゾフィエンザール・サウンドを満喫できる逸品でもあります。【交響曲】交響曲第1番と第3番、ハイドン変奏曲は、ケルテスが遊泳事故で亡くなる直前に録音されたものですが、ハイドン変奏曲の終曲パッサカリアについては未完結となっていたため、その部分はウィーン・フィルの団員がケルテスの死を悼んで、指揮者なしで録音を完了したというエピソードでも知られています。 ケルテスの指揮はブラームスらしさを大切にし、内声を充実させた立派なもの。オケが相性の良かったウィーン・フィルということもあり、生き生きと弾む音楽が実に魅力的でもあります。 なお、1964年に録音された交響曲第2番では、まだ若かったケルテスのフレッシュな音楽づくりが聴きものとなっています。 4曲ともに、デッカならではの厚みと艶のあるサウンドが、ウィーン・フィルならではの艶麗さと武骨さの入り交じる、複雑な味わいのブラームスを楽しませてくれます。 組み合わせの2つのセレナードはブラームス若き日の復古的作品。【セレナード】ブラームスの2つのセレナードは、19世紀のなかばに書かれています。当時まだ20代の若者で、ハイドンやモーツァルトの作品研究もおこなっていたブラームスは、半世紀以上も途絶えていた「オーケストラのためのセレナード」を復活させるべく作曲に取り組み、セレナード第1番ニ長調とセレナード第2番イ長調の2曲を完成。古典派の精神に学んで日常の心に訴求する繊細な美しさやユーモアを持った音楽が書かれています。 管楽器の非常にうまいオケとしても知られていたロンドン響との共演だけにサウンド面は申し分なく、さらにケルテスの推進力と抒情美を兼ね備えた指揮が、作品の何気ない部分まで表情豊かに聴かせているのがポイントともなっています。(HMV)【収録情報】ブラームス:1. 交響曲第1番ハ短調 Op.682. 交響曲第2番ニ長調 Op.733. 交響曲第3番ヘ長調 Op.904. 交響曲第4番ホ短調 Op.985. ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 イシュトヴァン・ケルテス(指揮) 録音時期:1973年(1,3,5)、1972年(4)、1964年(2) 録音場所:ウィーン、ゾフィエンザール 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)6. セレナード第1番ニ長調 Op.117. セレナード第2番イ長調 Op.16 ロンドン交響楽団 イシュトヴァン・ケルテス(指揮) 録音時期:1967年 録音場所:ロンドン、キングズウェイ・ホール 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)Powered by HMV