ヘンデルとサンマルティーニの傑作を収録ヘンデル&サンマルティーニ兄弟作品集コンチェルト・ケルン、クララ・ブレッシング長年にわたって高度な演奏水準を維持し、企画力にも定評のあるドイツの古楽器アンサンブル「コンチェルト・ケルン」。このアルバムには「Most Celebrated」というタイトルが付されていますが、称賛に値する音楽を集めたという意味合いでしょうか。 ヘンデルとサンマルティーニ兄弟の作品が収められており、時間配分としては約65分のうち、約37分がヘンデル、約28分がサンマルティーニ兄弟の作品となっています。 ゲストにはコンチェルト・ケルンとの付き合いも長いドイツのオーボエ奏者、クララ・ブレッシングを招き、オーボエが活躍する場面も多数。サンマルティーニ兄兄のジュゼッペ・サンマルティーニ[1695-1750]は主にロンドンで活躍し、ヘンデルのオペラのオーケストラで首席オーボエ奏者を務めたりしていました。当時のヨーロッパではロンドンのオペラが最大規模の興行で、アリアが当たると翌日に鍵盤楽器用の編曲譜が出版されるほど人気があり、ヘンデルの成功に対抗して反ヘンデル派のポルポラがファリネッリを招いてさらに賑わうという状況でした(ファリネッリはその評判がもとでスペイン王室に招かれ巨額の終身年金も得て財を成しています)。オペラのオーケストラで名を売れば器楽曲も人気が出やすいという構図があり、兄ジュゼッペのオーボエ協奏曲(トラック13〜14)には甘美なアリアを思わせる旋律美も備わっています。サンマルティーニ弟弟のジョヴァンニ[c.1700-1775]は主にミラノで前古典派時代まで活動。アルバム最後のシンフォニア(トラック17〜19)はシュトゥルム・ウント・ドラング風な作品です。モーツァルトに決定的な影響を与えたミスりヴェチェクが、ジョヴァンニ・サンマルティーニについてハイドン様式の父とも見なしていることからもその実力はかなりのものがありそうです。ヘンデルの協奏曲とメヌエットアルバム冒頭の協奏曲 HWV 287(トラック1〜4)はオーボエ奏者に人気の作品。偽作説もありますが、第1楽章は合奏協奏曲Op.6 No.11の第1楽章、第4楽章は合奏協奏曲Op.6 No.10の第4楽章に似ていたりします。 続く2つのメヌエットは HWV 422(トラック5)が「王宮の花火の音楽」に転用されたことでも有名な作品。 トラック7〜9は、3つの楽章を1つの協奏曲に見立てて演奏したものですが、楽譜の出版事情もあって表記がややこしいのですが、わかりやすく書くとこうなります。● トラック7:合奏協奏曲 ニ長調 HWV 317の第1楽章● トラック8:序曲 ニ長調 HWV 337の第2楽章● トラック9:序曲 ニ長調 HWV 337の第3楽章ヘンデルのオペラからトラック10はオペラ「パルテノペ」HWV 27の主役による甘美なアリア「死ぬまで愛したい」。ここではフラウト・トラヴェルソが抑えた美しさで聴かせています。 トラック15はオペラ「アルチーナ」HWV 34の主役による素晴らしいアリア「ああ、私の心の人よ」。10分を超える長大なアリアですが、凝った構造で起伏に富んでおり、ここではまるでオーボエ協奏曲のようにも聴こえます。ヘンデルの管楽アンサンブル・アリアトラック16は管楽器のためのアリア HWV 410で、2つのホルン、2つのオーボエとファゴットが活躍する楽しい作品。デニス・ブレインによって有名になり、編曲譜なども登場していますが、ここではオリジナル楽器でリズミカルに演奏するという離れ業により、管楽器の扱いが絶妙だったヘンデルの魅力を伝えています。▶ Berlin Classics 検索 演奏者情報◆ コンチェルト・ケルンWDR(西部ドイツ放送)の影響力もあり、古楽ムーヴメントの一大聖地となっていたケルンを拠点に活動を開始した「コンチェルト・ケルン」は、1985年にケルン音楽大学の学生を中心に結成された古楽器アンサンブル。 コンチェルト・ケルンのポリシーは、現在の知名度に関わらず、バロック期を中心にヨーロッパで活躍した作曲家の音楽を幅広く取り上げることで、適切な時代様式を見出そうというものです。交通や通信が不便だったにも関わらず、17〜18世紀の作曲家や演奏家の活動は非常に国際的だったので、説得力のあるポリシーとも言Powered by HMV