ピアノ伴奏だけでなく、様々なゲストを迎えて彼女らしい想像力豊かなアプローチによる表現で歌ったアルバムソプラノ歌手ファトマ・サイードのこれまでの2枚のアルバム『エル・ヌール』と『カレイドスコープ』は、文化や音楽ジャンルを越えたものでしたが、今回のリリースでは、ロマン派時代のドイツ歌曲、シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、そしてブラームスに焦点を当てています。 ファトマがリートに深く関わり始めたのは18歳のとき。母国カイロでドイツ語の学校に通っていた彼女は、その後ベルリンのハンス・アイスラー音楽院の学生となりました。「その時から、リートを歌う喜びは私の音楽人生の中心的なものとなっています」と彼女は書いています。「私はリートに非常に情熱を持っています。この素晴らしいドイツの詩と、シューベルト、シューマン、メンデルスゾーン、ブラームスといった天才作曲家たちの組み合わせが大好きです。」 通常、リートのリサイタルは1人の歌手と1人のピアニストによって行われますが、ファトマ・サイードはこのアルバムで、彼女らしい想像力豊かなアプローチを取っています。「私はいつも友達と一緒に音楽を作りたいと思っていました。似たような芸術的価値観を共有する時、演奏は非常に特別なレベルに達します」と語っています。このアルバムのプログラムには24曲が含まれており、ピアニストのマルコム・マルティノー、ジョゼフ・ミドルトン、ヨナタン・コーエン、ハープ奏者アンネレーン・レナエルツ、クラリネット奏者サビーネ・マイヤー(シューベルトの名曲『岩の上の羊飼い』で共演)、カルテット・アロド(アリベルト・ライマンによる編曲でブラームスの『オフィーリアの歌』を演奏、ライマンは2024年3月に亡くなりました)、男声アンサンブルのヴァルハラ ヴム・ザイドルヴィルト(ファトマとベルリンで一緒に学んだメンバー)、そして新進気鋭のバリトン歌手ヒュー・モンタギュー・レンドールなど、多くの才能豊かなアーティストが参加しています。「リートで一緒に歌うアーティストたちは、同僚である以上に友人です」とソプラノ歌手は続けます。「仲間として、この素晴らしく豊かな世界を共に探求するのです。私と一緒に参加した優れた器楽奏者や歌手の多くは私の友人であり、録音セッションを通じて知らなかった人たちも友達になりました。」 プログラムには、シューベルトの『白鳥の歌』からの優雅な『セレナード』、シューマンの躍動感あふれる『献呈』、ブラームスの魅力的な『歌の調べのように私をよぎる』など世界的に有名なリートが含まれていますが、あまり知られていないレパートリーにも挑戦しています。ファトマ・サイードはアルバム全体を通して詩のテキストに重きを置いています。「これらの歌をどのように演奏するかについては、言葉を強く強調したいと思いました。もちろん、美しい音とトーンで歌うことは常に必要ですが、私の最優先事項は、言葉のキャラクターを何よりも伝えることでした。」「たとえば、ブラームスの曲でハープ奏者アンネレーン・レナエルツと共演しているとき、私たちは常に音楽的な会話をし、お互いに言葉を話しているように感じるようにしました。声とハープの両方がキャラクターを演じているのです。」 メンデルスゾーンの『魔女の歌』(ジョセフ・ミドルトンと共演)については「このリートの高音域では、話しながら歌うような、声にとって危険なことをする必要がありましたが、それでも言葉や表現、場面の雰囲気を引き出すためにリスクを取る価値がありました。」 彼女はシューベルトの『岩の上の羊飼い』の魅力的な抒情性と比較します。「ここでは、そして他のいくつかの曲でも、音楽がそれを求めているときは、なめらかで美しいレガート唱法を最優先にしました・・・異なる表現の世界を区別することが、私にとってリートを歌うことの本質です。」(輸入元情報)【収録情報】01. シューベルト:歌曲集『白鳥の歌』 D.957〜第4曲『セレナード』02. シューベルト:岩の上の羊飼い D.96503. シューベルト:セレナーデ『ためらいがちに、静かに』 D.92004. メンデルスゾーン:恋する女が書いていること Op.86-305. シューベルト:水の上で歌う Op.72, D.77406. シューベルト:こびと D.77107. メンデルスゾーン:魔女の歌(もうひとつの五月の歌) Op.8-80Powered by HMV