マーラー交響曲第3番ジョナサン・ノット&バンベルク響ニーチェの言葉は藤村実穂子が!SACD2枚組1枚価格!2003年録音の第5番に始まったノット&バンベルクのマーラー・シリーズ、今回は最長の交響曲第3番の登場です。【おもしろいジャケット】ジャケットには、表現主義の画家でアルマ・マーラーの愛人でもあったオスカー・ココシュカ[1886-1980]の1966年の作品『朝と晩』が用いられています。ココシュカといえば、アルマにふられたあと、アルマの等身大の人形を作って馬車で外出までしていたという異常なエピソードでも知られていますが、この『朝と晩』と似た作品である『音楽の力』が描かれたのは、まさにそうした行動をとっていた1918年のことでした。その『音楽の力』はジョナサン・ノットのマーラーの交響曲第4番のジャケットにも使われていたので、ご記憶の方も多いと思われます。演奏だけでなくカヴァー・アートへの掲載作品にも配慮するチューダー・レーベルならではのおもしろい絵画選択です。【藤村実穂子】長大な交響曲第3番の中でもひときわ印象に残る第4楽章には、ニーチェの「ツァラトゥストラはこう言った」からの言葉が使われています。この独特の甘美さと警句に彩られ深い詩情を湛えた音楽を歌うために選ばれたのは、バイロイトでも活躍する国際派アルト歌手の藤村実穂子。11分以上もかけてじっくりと描きあげるノットの解釈には藤村の深い声が必要だったのでしょう。【指揮者プロフィール】ジョナサン・ノットは1962年生まれのイギリスの指揮者。2000年1月にバンベルク交響楽団の音楽監督に就任するまでは、ヴィースバーデンの州立歌劇場、そして市の音楽監督を務めるなど、ドイツの伝統的な指揮者の典型ともいえる“カペルマイスター”的なキャリアを積んできました。一方で彼は、現代音楽も得意としており、アンサンブル・アンテルコンタンポランの首席客演指揮者として、多くの新作初演を手がけてきたほか、あるテーマのもと、クラシックと現代音楽をカップリングしたコンサートを制作するなど、そのユニークな姿勢は幅広い聴衆から支持されています。 レコーディングにもノットの多彩な才能は反映されており、これまでにベルリン・フィルを指揮したリゲティの2枚の作品集(Teldec)や、アンサンブル・アンテルコンタンポランとのエマヌエル・ヌネス作品集(Accord)、ヘルムート・ラッヘンマン作品集(Kairos)、ジョン・アダムズのDVD(ARTHAUS)、クセナキス、ベリオほかの作品集(BIS)、ワイル、ヴェレス、シュテファン作品集(PAN)といった現代作品や、バンベルク交響楽団とのブルックナーの交響曲第3番、シューベルト交響曲集、シューベルト・エピローグ(現代作曲家がシューベルトを題材に編曲・作曲したもの)、ヤナーチェク、ストラヴィンスキーなどがリリースされています。 SACDながら通常のCDと同じ価格というのも嬉しいところ。しかも、通常のCDプレイヤーでも再生可能なハイブリッド・タイプです。なお、SACDレイヤーには2ch音声と5.1ch音声の2種類が収録され、オリジナル・マルチチャンネル・レコーディングされた高音質録音をそのままのクオリティで味わうことが可能です。(HMV)【収録情報】・マーラー:交響曲第3番ニ短調 [104:05]Disc1 第1楽章:力強く決然と [34:45]Disc2 第2楽章:テンポ・ディ・メヌエット きわめて穏やかに (10:07) 第3楽章:コモド、スケルツァンド 急がずに (17:48) 第4楽章:きわめてゆるやかに (11:03) 第5楽章:活発な速度で、表出は大胆に (04:26) 第6楽章:ゆるやかに、平静に、感情をこめて (25:56) 藤村実穂子(アルト) バンベルク大聖堂聖歌隊 ヴェルナー・ペース(合唱指揮) バンベルク交響楽団合唱団女性団員 トビアス・ヒラー(合唱指揮) マルクス・メスター(ポストホルン) アンゲロス・クリティコス(トロンボーン) バンベルク交響楽団 ジョナサン・ノット(指揮) 録音時期:2010年5月25-30日 録音場所:バンベルク、ヨゼフ・カイルベルト・ザール 録音方式:デジタル(ライヴ) SACD Hybrid CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUNDPowered by HMV