深い夜〜ベルク&ハルトマン歌曲集ユリアーネ・バンゼの美しい歌声でECMによるユリアーネ・バンゼの歌曲集4作目。「ドビュッシー&モーツァルト」「カフカ断章」「マリア三部作」に続くリリースです。【ベルク若き日の歌曲】新ウィーン楽派の中では最も後期ロマン派寄りの作風だったアルバン・ベルク[1885-1935]ですが、初期に書かれた歌曲では特にそうした傾向が顕著で、シェーンベルクやリヒャルト・シュトラウス、ワーグナーの影響を受けたスタイルが特徴ともなっています。 当アルバムでは、そうした若き日の歌曲の代表作である『7つの初期の歌』と、「若き日の歌」と括られた8つの歌曲、そして「2つの歌」という括りで、同一テキストへの作曲年度違い作品を収録しています。【ベルク18年の変遷を比較】最後の「2つの歌」では、『私の両目を閉ざして下さい』というシュトルムの詩に付曲した2ヴァージョンの歌曲を収録しています。1907年、ベルク22歳の時の作曲と、1925年、ベルク40歳の時の作曲により、同じテキストに対するアプローチがどう変わったのか聴けるのが興味深いところです。【ベルクの影響を受けたハルトマン】組み合わせは、20世紀ドイツ最大の交響曲作曲家のひとりで、アルバン・ベルクの音楽から大きな影響を受けたことでも有名なカール・アマデウス・ハルトマン[1905-1963]の『ラメント(哀歌)』。この『ラメント』は、1955年に書かれた作品で、ドイツの30年戦争のもたらした哀しみについての詩作でも知られるアンドレアス・グリフィウス[1616-1664]のテキストに付曲したものです。【バンゼの豊かな表現力】ソプラノのユリアーネ・バンゼは、美しい歌声で、これら繊細な表現を内包した歌曲の数々に誠実に取り組み、クールな中にもさまざまな情感を表し、最後のロマン派歌曲にふさわしい濃密で豊かな詩情を描き出しています。 なお、アルバム・タイトルの「Tief in der Nacht」は、『7つの初期の歌』の中の第4曲に含まれるテキストで、「深い夜に」といった意味合いです。(HMV)【収録情報】アルバン・ベルク・『7つの初期の歌』 「夜」(1908) [03:32] 「葦の歌)」(1908) [02:00] 「ナイチンゲール」(1905〜06) [01:51] 「夢に見た栄光」(1907) [02:17] 「室内にて」(1905) [01:04] 「愛を讃える」(1906) [01:31] 「夏の日」(1908) [01:32]若き日の歌・『お針娘』(1904〜05) [01:11]・『最初の失恋』(1904〜05) [01:15]・『山の彼方に』(1905) [01:28]・『冬』(1902) [01:02]・『悲しみ』(1902) [01:34]・『希望』(1902) [01:03]・『フルート吹きの女』(1902) [01:08] ・『ミニョン』(1904〜05) [01:17]2つの歌・『私の両目を閉ざして下さい』(第1作)(1907) [01:03]・『私の両目を閉ざして下さい』(第2作)(1925) [01:14]・ハルトマン:『ラメント』[21:25] 「不幸」[06:22] 「わが母に」[05:49] 「平和」[09:14] ユリアーネ・バンゼ(ソプラノ) アレキサンダー・マッジャー(ピアノ) 録音時期:2009年3月11〜13日 録音場所:ノイマルク 録音方式:デジタルPowered by HMV