『プラットフォーム学』の実践編。スポーツリーグは、最先端のテクノロジーを活用しながら、人々や地域社会が集まるプラットフォームとしての機能を強めている。MLBではピッチクロックや顔認証システムを球場内外で導入し、マイナーリーグでのルール実証など、ファンの声を生かした課題改善に取り組む。地域密着型のJリーグは、スポーツを通じた環境サステナビリティに参画し、気候変動問題に挑んでいる。Bリーグでは、リーグ構造の大胆な変革と並行し、地域格差など社会課題に向き合っている。日本レースプロモーションはレースの多様なデータを収集・公開し、透明性とフェアネスの確保に努めている。本書では、それぞれのリーグを先導するリーダーに、プラットフォームの必要性、利用状況、戦略、今後のプラットフォームへの期待など、成功の道筋を語っていただくとともに、通信技術、映像技術、AIなどを通じてリーグを支える企業を取材。コンディショニング管理、戦術の深化、視聴体験の拡張、ファンやスポンサーとのエンゲージメントなど、テクノロジーが多層的に活用される現状と、その社会的・経済的インパクトを紹介している。スポーツリーグの取り組みを見てわかるように、次世代のプラットフォーマーを目指すには、地域との連携、スタートアップの新しい技術やAIとの調和が不可欠である。そこで、プラットフォームを発展させている自治体や、新たな技術を創出する企業のケーススタディを多数掲載。スタートアップの創出を支える「ICTスタートアップリーグ」も取り上げている。人々のライフスタイルと社会構造が大きく変容するなか、日本発のプラットフォームをいかに構築すべきか。プラットフォーム学が重視する視点を交えながら、未来を駆動する新たな切り口を提示する一冊。