記念すべきクライバーの第1回録音が残っていたとは!若いエネルギーみなぎるバロック音楽!カルロス・クライバーの記念すべき第1回録音が残っていました。当時29歳、前年にザルツブルク州立劇場にて『売られた花嫁』と『ボエーム』でオペラの本格的デビューを果たし、音楽界へ船出し始めた時期です。 曲はテレマンの『ターフェルムジーク(食卓の音楽)』第3集の管弦楽組曲と、C.P.E.バッハのチェロ協奏曲という、クライバーが後に手掛ることのなかった珍しいレパートリー。コンサートは1960年12月7日に行われましたが、同月1、2日にNDRスタジオで放送用セッション録音もしていました。 状態の良いセッション録音があったためか、コンサートのライヴ録音はC.P.E.バッハ:チェロ協奏曲しか残しておらず、その放送を個人的に録音した音源がこの度初めて日の目をみました。 ソロはスイスの女流イレーネ・ギューデル。1957年よりデトモルト音楽大学で教鞭をとっていましたが国際的には全く無名。本当は他のチェロ協奏曲にしたかったとのことですが、テレマンと合うものがなかったため、仕方なく決まったといわれます。しかし、C.P.E.バッハの「疾風怒濤」スタイルは若きクライバーにぴったり。音源に起因する音ゆれが多少ありますが、記録上でだけ認識されていたこの演奏を聴くことができるのは存外の喜びと申せましょう。また、クライバーの協奏曲録音は極めて少なくリヒテルとのドヴォルザークしかないので貴重。 ターフェルムジークは肩の力が抜け、純化された透明な響き、推進力と流れのあるきびきびしたテンポが魅力。古楽的解釈をすでに先取りしているような印象を受けるのが驚きです。「ディ・ヴェルト」紙に掲載された批評では「スウィングし、呼吸するようなテンポ、洗練された音感覚と明瞭なコンセプトが見受けられる鋭敏な音楽性」と賞されました。 さらに注目なのはインタビュー嫌いとして有名な彼が、コンサートの合間に行った6分にわたる自分自身や父の話の貴重な録音も収録されていること。他では入手できない超お宝と申せましょう。若きクライバーの声を聴くだけでも感激です。(キングインターナショナル) なお、当CDではモノラル音源に適宜エフェクトをかけて聴きやすくしているようですが、音はイマイチで、特にチェロ協奏曲の音は冴えないですが、なにしろ貴重な音源なのでクライバー・ファンには注目度の高い1枚です。【収録情報】1. テレマン:『ターフェルムジーク』第3集〜組曲変ロ長調(序曲/牧歌/喜び/冗談/メヌエット/終曲) 録音時期:1960年12月1、2日 録音場所:ハンブルク、NDRスタジオ 録音方式:モノラル2. C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲変ロ長調 Wq.171 録音時期:1960年12月7日 録音場所:ハンブルク、NDRスタジオ 録音:モノラル3. カルロス・クライバーのインタビュー(ドイツ語・約6分) イレーネ・ギューデル(チェロ:2) ハンブルク放送管弦楽団(ハンブルク北ドイツ放送交響楽団) カルロス・クライバー(指揮)Powered by HMV